このコラムは毎月10日マックスホームで発行しているコラムの
一部を抜粋したものです。
気宇壮大
2017/09  vol.191
 9月に突入しました。仙台では記録的な長雨が続き、季節は夏を通り過ぎて一気に秋へと移り変わろうとしております。待ち遠しかった日差しに秋の気配さえ感じる今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 このところ、頻繁に繰り返される北朝鮮の挑発など、我が国の防衛を取り巻く環境も緊迫度合いを増して参りました。このような状況下で次々に明るみとなる政治家のスキャンダルや、無責任な言動は政治家の資質の低下と同時に政治の毀損とも言いたくなるような憂うべき事態です。
 さて、東京オリンピックまで既に3年を切りましたが、他国の開催例に学べば、開催前に一度は経済が失速するとされています。我が国でも、開催1年前にはインフラ整備も整い、建設関連を中心とした資材高騰や人材不足は徐々に解消されるのではないかと予測されています。
 不動産市場では、「オリンピックまでは大丈夫」との楽観的な見方が市場を後押ししてきた感も否定できませんが、少しずつ市場も変化しつつあります。但し、陰りが見えてきたと言うほど悲観すべき状況にはないと考えますが、完全な二極化が進行しつつあります。都心の大規模開発やホテル用地などは、今後も競うように高値が付けられるでしょうし、住宅地でもプレミアム感の高い場所などでは相場以上の取引が続くと思われます。不思議なもので、日常の買い物ならば、高いときには買い物せずに特売を狙って買うのが一般的ですが、株や不動産などの相場の世界では、ほとんどの方が高値の時に出遅れないようにと競うように買いに走ります。一旦、下降局面に転じれば、「どこまで下がるか」という心理が働き中々手を出せなくなります。また、売り逃げしようにも損切りできずに相場の回復をひたすら信じる・・・。偉そうに言う私も含めてのことのことですが(笑)。ついつい相場の話で損得勘定ばかりしてしまうのは、悲しくも不動産業者の性と言うものです。
 一方、住宅市場には高止まり感による慎重なムードと、長引く低金利と消費増税の先送りにより、購入動機を喚起できない側面もあります。本来これほどの低金利が続けば買いが殺到しそうなものですが、「金利は上がらない」との見通しが一般に浸透し、今買わなければならない理由に乏しいのが実態と言えます。
 オリンピックと言えば、いつの間にか復興五輪なんていう言葉もすっかり耳にしなくなりました。復興関連では、徐々に予算も縮小され関連事業もピークは過ぎたことが窺えます。これと同時に、沿岸部などの復興特需を当て込んで建設された目新しいアパートにも空室が目立ち始めてきたようです。もともと需要が無い場所に大量に供給された物件は、今後、震災の光と影、負の遺産の予備軍にもなりかねません。また、自治体によっては、沿岸部を津波防災区域に指定し住居の新築を認めないエリアを定めています。安全を考えれば当然のことですが、問題は復興計画の青写真さえ描けず置き去りにされ、未だに手付かずの土地が放置されているという現実です。生活再建と地域の活性化は一体不可分であり、復興宣言まではまだまだ遠い道のりと言えます。
 6年半の歳月と共に色々な制度も廃止されますので、使えるものは上手く活用した方が良いと思います。例えば、東日本大震災時に住居が損壊し解体後そのまま放置されているような敷地は、「被災居住用財産の敷地に係る譲渡期限の延長の特例」により、7年間すなわち平成30年12月末までの譲渡であれば、居住用3000万円特別控除と同様の特例を受けます。(通常は住まなくなって3年が経過した年の年末まで/敷地のみの場合は建物解体後1年以内の契約締結)但し、その間に第三者に賃貸するなど事業の用に供してないことも条件となります。尚、解体後の敷地を居住用建物があったとみなす固定資産税の軽減期間は震災後10年間です。何かあればご相談下さい。
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