このコラムは毎月10日マックスホームで発行しているコラムの
一部を抜粋したものです。
気宇壮大
2009/12  vol.98
 今年も早いもので年の瀬をむかえました。師走の街も年末商戦へと突入し次第に賑わいを増しているかのように映ります。皆様にとって今年はどのような一年だったでしょうか?
 昨年のリーマンショックから一年が経過し、一旦は回復の兆しを見せ始めた日本経済も、円高・株安・デフレの三重苦により依然として予断を許さない状態が続いております。こうした中、不動産業界においても、先月大手マンションデベロッパー倒産のニュースが全国を駆け巡ったばかりですが、更に今年の住宅着工戸数は70万戸台に留まることが確実視されており、厳しい状況にあります。100万戸割れは実に42年前もの低水準となるそうです。報道によると、政府は経済対策の一環として住宅金融支援機構のローン金利を引き下げる方針を固め、当初10年間の金利を通常より1%引き下げる方向で調整に入った模様です。また、同じく二次補正予算の中では住宅版エコポイントの創設が盛り込まれております。果たしてこれらの奇策が住宅市場を喚起するに至るのでしょうか?以前から景気対策の急先鋒として担ぎ出されてきた住宅頼みにもそろそろ限界がありそうです。
 加えて、急速な景気の冷え込みにより、住宅の競売申し立て件数は今年上期で作年対比46%増の水準にまで達しています。中小企業金融円滑化法の施行が救世主となれば良いのですが、同法が効果的に作用するには景気回復が前提となることは言うまでもありません。仮に3年間元本返済の猶予を受けたとしても結果的に利息を多く払う計算となり、その間に雇用情勢や不動産市場の急速な回復が無ければ債権者、債務者の両者にリスクが生じます。もしも3年後事態が改善しなければ、その歳月は新たな負担を生み債務者に重く圧しかかることは否定できません。
 関連して言えば、更に冷え込む建設市場や地方経済には追い討ちをかけるように公共事業の見直しが相次いでいるようです。それでも二次補正により執行停止していた公共事業も予算が復活した形となりますが、業界と地方を救うにはまだまだ不十分のような気がします。これまで、良くも悪くも我が国の経済を「ハコモノ」で強引に牽引してきたことも事実です。建設関連550万人ともいわれる就業者の多数を今すぐに路頭に迷わすわけにはいかず、「ハコモノから人へ」を改革の旗印にする政府としては今後も苦渋の決断を迫られることになることでしょう。
 今年の流行語大賞は「政権交代」でしたが、新政権発足から3ヶ月余り、国民生活はどのように変化してゆくのでしょうか。理想は大事なことですが、今日の停滞は政治家の現状認識の甘さに起因する部分が大きいと思います。新首相の掲げる「友愛」の精神が「自愛」の意味に摺りかえられないことを祈ります。
 本年もお付き合い頂きありがとうございました。来年も皆様のお役に立てるよう創業精神を忘れず、挑戦して参る所存でございます。来年も皆様にとって素晴らしい年となることをお祈りし、ペンを置きたいと思います。 
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