このコラムは毎月10日マックスホームで発行しているコラムの
一部を抜粋したものです。
気宇壮大
2011/12  vol.122
 師走を迎えました。仙台市内では、冬の風物詩「SENDAI光のページェント」が例年より早く点灯を開始しました。今年は、東日本大震災で犠牲に遭われた方々への鎮魂や、復興への祈りも込められており大変意味深い開催となりました。
一年を振り返ってみて、おそらくは、皆様の記憶の中にも永遠に忘れられない出来事となったのが3月11日の東日本大震災ではなかったでしょうか。あのときの絶望感や悲しみ、苦しみ、そして復興への希望や情熱。様々な思いが9ヶ月余りの月日の中で錯綜したに違いありません。神様は、この短時間の間に人々に多くの試練や教訓を与えました。そして、さまざまな犠牲と引き換えに人と人との絆や愛情など、これまでの人間社会に不足していたものを教えられたような気がします。それにしてもこれは大きな代償です。国の第三次補正予算では、被災三県に対し莫大な予算が確保され復興への足掛かりがようやく見えてきましたが、その穴埋めを復興債や増税で補わなくてはなりません。残念ながら、地域によって復興に対する考え方に多少の温度差があるのは事実です。ごく一部の心無い反対意見に耳を傾け過ぎ、それを真に受け民意だと受け止めるようであれば、日本の民主主義も憂慮すべき事態です。周囲の顔色をうかがうあまり、トップが右往左往しビジョンも示せない。国も地方もトップのリーダーシップが問われます。 
 さて、この9ヶ月間で不動産市況は大きく変わりました。震災直後の1ヶ月間は空白の1ヶ月といっても過言ではありませんでしたが、それを補うに余りあるほどの需要が4月後半から押し寄せました。背景には、県の借り上げ住宅制度や企業の人事異動が集中したことがあげられます。加えて、沿岸部から内陸や都市部へいち早く移転を決めた方々の需要で、一時的に既存の戸建やマンションが新築中古を問わず飛ぶように売れました。特徴としては、津波で被災した地域から遠くなく、なおかつ津波被害に遭わなかったエリアの引き合いが多かったと思います。また、皮肉にもこれまで引き合いの無かったような土地が相場以上の価格で取引された例も多く報告されており、土地値は当面高値安定が続きそうです。正に津波被害の有無が明暗を分けた形となりました。マンションは、一時的に低層階志向が見られましたが、喉もと過ぎれば何とやらで、マンション本来の需要に回帰しつつあります。賃貸住宅は、仮住まいと復興に携わる県外からの人々で空室が大幅に改善されました。
 仙台市中心部では、今回の震災で壊滅的な被害を免れ、県庁・市役所をはじめ、国の出先機関や報道各社等が十分にその役割を果たすことができました。また、ライフラインの復旧も早かったことから、都市機能のポテンシャルの高さは大いに評価できるでしょう。今後、都市防災という観点からも、多くの大都市がさまざまな対策を急がなければなりません。中央機能のリスクヘッジという点でも、仙台は脚光を浴びていいと思います。何れ、東北における仙台の存在感はますます高まり、一極集中が加速しそうです。それを決定的なものにするのが、先の補正予算に裏打ちされた多くの人・モノ・金の流入です。これらが、新たな経済のうねりとなり復興の後押しとなることでしょう。

 今年は、我が社にとっても震災による影響で管理物件や自社物件が被災し、試練の一年となりました。しかしながら、多くの皆様からの心温まるご支援や励ましを頂戴し、無事乗り切ることが出来ました。現在は、私どもの企業理念に基づき、被災された住宅のリフォームをはじめ、宅地の開発分譲、被災された店舗の権利調整や新店舗の誘致等、様々な形で街づくりに取り組んでおります。来年もこの貴重な経験を生かし、皆様のお役にたてるよう努力して参る所存でございます。どうぞ宜しくお願い致します。
 末筆となりましたが、皆様の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
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