このコラムは毎月10日マックスホームで発行しているコラムの
一部を抜粋したものです。
気宇壮大
2012/12  vol.134
 街には早くもクリスマスツリーやイルミネーションが飾られ、年末商戦も本格的な時期となりました。今年は総選挙の投票日を目前に控え、例年になく慌ただしい年の瀬となりそうです。
 その総選挙ですが、複数政党が入り乱れ、まさに離合集散と呼ぶに相応しく、各党の思惑が錯綜しています。そんな中、選挙の争点はいつの間にか「消費税・原発・TPP」に絞られてきた感があります。日を追うごとに東日本大震災の記憶や情報が薄れつつありますが、それはつい昨年の出来事であり、未だに行方不明の方が大勢おられ、窮屈な暮らしを強いられている方々が沢山いらっしゃるのです。なぜ、多くの政治家が復興を論点にしないのでしょうか。
 さて、皆様にとって平成24年はどのような年となりましたでしょうか?被災地では、復興元年と位置づけられた今年でしたが、複雑な制度や権利関係の障壁もあり、被災地の復興にも地域間格差が生じているように思えます。特に復興予算のうち2兆円もの予算が復興以外の資金として確保されたという事実には強い憤りを感じます。
 その被災地での復興ですが、都市部では明らかに昨年の同時期と比べ力強いものを感じますし、街を走る工事車両の多さにも圧倒されます。昨年はガレキを積んだ車両が目立ち、その多くが復旧中心でしたが、今では、新築や本格的な改修工事等、建設土木も復興に向け大きく前進したように思えます。来年、再来年と復興予算が実行されれば、更なる復興の原動力となることは間違いありません。
 最近は防災や減災という言葉をよく耳にします。100兆円とも200兆円とも言われる公共投資で国土を強靭化し、同時に景気を浮揚させるという政策です。金のばらまきとの批判が多いのも事実ですが、仙台が今や全国一景気の良い都市と噂されるのも復興のための公共事業に起因するところが極めて大きいと思います。このことが短期的には公共事業が特効薬となることを証明しているとも言えますが、その反面、問題も少なくありません。前述の街の復興とはやや矛盾する点かもしれませんが、興味深い例があります。本来であれば、公共事業等で業者が得た利益を被災地で消費という形で還元されれば更なる好循環が期待できるのです。しかし、現地に宿泊施設や共同住宅または事務所等が無ければ、それらを確保できる場所に拠点を求めざるを得ません。実は沿岸部の多くの地区ではこうした施設が不足しており、皮肉にも昼の賑わいと引き換えに、夜間は周辺の市町村へ人々が戻ります。宿泊施設に加え飲食店や娯楽施設のある都市部に金と人が集中している現実も見え隠れしています。この例ひとつからも、公共投資による経済効果が限定的であり、地域間格差を生んでいることをうかがい知ることができます。
 最後に少しだけ不動産の話題を。被災者の方々の潜在需要が市場を牽引しているかのようにも思われがちですが、今では確実に消費税の駆け込み需要の比重の方が高いように思えます。それに拍車をかけているのが物件の供給量です。全体的には供給量が不足しているのは事実ですが、震災で全半壊した家屋が行政解体され、これまで流通しなかったような希少エリアに売地が出るなど、思わぬところに震災による影響が出ているように見受けられます。震災直後は特需が市場全体の地価を底上げしましたが、今では、当然のことながらその物件の希少性で明暗が分かれています。 
ここにきて株価が上向き、若干円安が進んでおります。来年の日本経済の復活を期待し、ペンを置きたいと思います。皆様にとって平成25年が良い年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
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