このコラムは毎月10日マックスホームで発行しているコラムの
一部を抜粋したものです。
気宇壮大
2014/12  vol.158
 街中のいたる所でジングルベルが鳴り響き、師走の街も慌ただしさを増してまいりました。
先日も長野で震度6弱の地震が発生しましたが、今年は本当に自然災害の多い年でした。皆様にとって今年はどんな一年だったでしょうか?
 消費税は先送りとなり、700億円とも言われる巨額の費用を投じて解散総選挙がスタートしました。国会議員の定数削減の議論も置き去りにされ、国民不在の中、この選挙に一体何の大義があるというのでしょうか?
 確かにデータ上消費は落ち込んでいますが、果たして消費増税だけが成長押し下げの原因なのでしょうか?景気が浮揚しても隅々まで波及させるのは所詮無理な話なのかもしれません。これまで地方との格差を是正する唯一の手法が公共事業だったと言っても過言ではありませんが、その公共事業が大幅に削減された今では地方経済を下支えするものが中々見当たりません。肝心の大企業は地方の工場を閉鎖し海外にシフトしており、庶民が円安株高の恩恵を享受できるなど程遠い話です。
 私は人より地方を回る機会を与えられております。全国津々浦々とまではいきませんが、どこの観光地を回っても変わり映えしません。停車中の観光バスは時間とお金にゆとりのある高齢者が中心です。円安の影響か外国人観光客も目立ちます。地方創生には外国人から見た日本の潜在的なイメージをどう売り込むかがカギとも言えます。それには仙台のような地方都市はリトルトーキョーでは意味がないのです。これまで、ほとんどの地方が同じ方向を向き過ぎていたのです。
 個性という点で何となく共通する点があると思うのですが、外食産業にも時代の変化の波が押し寄せています。全国どこでも同じ品質と低価格を武器に、これまでデフレ時代の勝ち組と称されてきた居酒屋チェーンやファストフードチェーンが軒並み減収と報じられています。円安による輸入価格の高騰と人件費の上昇が要因とされているようですが、果たしてそれだけでしょうか?拡大路線の中、競合店同士が同じ土俵で勝負を挑んだ末、個性よりも価格競争に陥った結果がここにあるように思えてなりません。対照的にどこの地方でも得意分野に特化した店が繁盛しています。例えば飲食店なら、日本酒やワインの品ぞろえの多さや食材に拘った店などがあげられます。こうしたお店は決して安くはありませんが、プチ贅沢を味わうために交通費をかけても客がやってきます。どこの駅前にも選びきれないほどの飲食店が乱立しているというのにもかかわらずです。そして、店内には意外にも女性の一人客が多かったりします。一品一品写真を撮りながら料理を頬張っているのです。これだけインターネット等の情報網が整備されると消費者の声が直接反映されるサイトも多く、店の詳細情報をどこにいても入手できるため、有名店になればなるほど客が客を呼ぶ好循環が生まれます。そして何よりも消費者はストーリー性を重要視します。「どこどこの有名店で食事をした」ということをブログやフェイスブックで紹介することで本来の食を楽しむのと同時に、別の自己満足を得ることができるのです。この価値観を当てはめてみると「居酒屋チェーンで飲んでます」なんていうのはストーリー性に乏しくブログやフェイスブックのネタにならないのだというのです。ブランド化や地域を代表するB級グルメが広がりを見せている背景には価値観を共有できる環境が整っていることも大きいと思います。ただ、情報化社会が商売の手法を大きく変化させ個性を掘り起こした一方で、業種を問わず消費者の嗜好の分散がますます供給側の戦略やターゲットの絞り込みを難しくしているように思えます。我々供給側は、よりスピーディな変化が求められる時代の中で、変わることの大切さと変わらずにいることの大切さをはき違えないようにしなくてはなりません。
 今年も私の拙い話にお付き合い頂きありがとうございました。一年間のご愛顧に感謝し、来年も皆様にとって良い年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
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