このコラムは毎月10日マックスホームで発行しているコラムの
一部を抜粋したものです。
気宇壮大
2015/12  vol.170
 ありきたりのフレーズですが、今年も残すところ3週間ほどとなりました。このコラムが皆様のお手元に届くころには、仙台市営地下鉄東西線が開業をむかえ、光のページェントが定禅寺通りのケヤキ並木を彩っていることでしょう。これまで仙台市の市街地は中心市街地を軸に南北に開発が進んで参りました。東部地区は工業団地と田園地帯のイメージが強く、西部は成熟をむかえた団地のイメージを払しょくしきれずにいたのではないでしょうか。この度の地下鉄東西線の開業により東西開発の呼び水になると地域の期待も高まっているようです。100万都市仙台とはいえ、地方の一都市に過ぎず、車中心の社会です。近年は郊外型の大規模商業施設が至る所にオープンし、個性という点においてはどこか物足りなさを感じます。地下鉄沿線には、ワンストップで日常の買い物が楽しめ、地域のコミュニティが生まれるような個性豊かな商店街の形成がなされることを期待したいと思います。
 ところで、皆様にとって今年はどのような一年だったでしょうか?当社の近況を簡単にお話しておきますと、当社の事業用地の隣接地取得に向け長年交渉を続けてきた事案がありましたが、優先交渉権を獲得したにも関わらず、条件の折り合いがつかず取得機会を逃してしまうというミスを犯してしまいました。このような自らの苦い経験の結果、お客様からのご相談にはより的確で説得力のあるアドバイスができるようになったと思います。「隣の土地は借金してでも買え」の格言は間違いではありません。事業では、継続的に新築住宅を多数供給できたことと、マンション用地や商業用地の確保にも携わる機会に恵まれました。そして、この12月には2年越しの交渉が実り、当社のエリア内におけるスーパー建設に向けた契約調印が完了したことが印象に残っております。都市創りを掲げる当社にとって、新たなランドマークの計画に携われたことで微力ながら地域貢献ができたと自負しております。
 話は変わりますが、先日、研修のため九州・山陰地方に出向きました。秋口から春にかけ少しでも気候の穏やかなところを目指すせいか、この季節は毎年西日本行きの機会が多くなります。今回は、昔の街並みや城下町の風情を今に伝える俗にいう小京都と呼ばれる町を訪ねてきました。小京都と称される場所は日本全国各地に点在しますが、一説によると戦で敗れ都から逃れた武士が故郷を思い、逃れた地に町を築いたことに起因するところが多いと聞いたことがあります。今でいう全国各地の都市がリトル東京化しているのと同じで、いつの時代も都は人々の憧れだったに違いありません。それにしても、こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、宮城県にも情緒豊かな昔の街並みを体感できる場所はいくらでもあるのですが、PRが下手なのかイマイチ世間の評価が低いような気がしてなりません。歴史や文化という点においては、東西の決定的違いを痛感させられます。この点においては西日本に分があるように思えます。それには、大陸が近く比較的早くから海の向こうの異文化が入ってきた点と、幕末から明治維新にかけて日本を動かした人物を数多く輩出し、また歴史の舞台となった点において東北地方には若干のビハインドがあるかもしれません。そもそも、地元民が地域の歴史をもっと学び内外に発信し続けることが大切なのだと思います。この度の明治産業革命遺産も一つ一つの施設の価値ではなく、歴史との深い関連性をもってその指定を受けた経緯があります。
 町おこしという点において共通すると思うのですが、先日お亡くなりになった漫画家の水木しげる先生の地元、鳥取県境港市にある同記念館の館長がアニメによる町おこしに成功し観光地化した結果、何よりも市民が元気になったと語っていたのが印象的でした。何をもって地域を売り出していくのか、物まねではなく地域の個性を生かしたブランディングが重要なようですね。
 今年も一年間お付き合い頂きありがとうございました。来年も皆様にとって幸多き一年となることを心よりお祈り申し上げます。
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