2015年6月 vol.164
2015年06月10日
初夏を思わせるような陽気から一転、梅雨前線が日本列島を覆い、いよいよ本格的な長雨の季節をむかえようとしております。皆様季節の変わり目でございますので体調管理には十分にご注意下さい。
さて、この度「空家等の推進に関する特別措置法」なるものが施行され、長年放置され廃墟と化したような住宅の撤去が進むと考えられ、地域の防犯・衛生・景観等にも一定の効果が期待されています。この件については次の機会に詳しく説明したいと思います。
話しは変わりますが、日本は恐らく好景気なんだろうと今さらながらに思います。株価が上昇しあれよあれよという間に日経平均は2万円を超え、多くの大企業が最高益を更新しています。地価は都市部を中心にバブル期に迫る勢いを示しています。それでも我々庶民に実感がわかないのは、前述のような分野に関連のある方はほんの一握りで、これらに無縁の方は例え大都市在住でも地方在住であろうと無関係の話と言って過言ではありません。恐らくは、この局地的好景気はもうしばらく続くものと考えられますが、好況が続いても各方面に波及することはほぼ皆無と考えて良いでしょう。戦後の高度成長期のように何処でも誰でもその恩恵を享受できた時代とは異なり、明らかに日本は一億総中流時代では無くなりました。だからこそ、自治体も民間も国に依存することなく、地域の特性を生かした街づくりや、商品づくりに心血を注がなければなりません。アイディアで地域の宝物を発掘し、オンリーワンの価値を世界に向け情報発信を続けることが大事なのです。
コンビニ最大手のセブン?イレブン・ジャパンでは、日本全国を9つの地域に分け、商品開発を展開していく方針を明らかにしました。この戦略こそ、全国画一的な商品を並べて商売する時代の終焉を意味するものであり、ひいてはチェーン展開の在り方さえも根底から覆す転機になるかもしれません。
最近、日本の至る所で外国人観光客の姿をよく見かけます。その中でも東京や京都は群を抜いている感があります。富士山や箱根、北海道などの日本を代表するようなリゾート地も大勢の外国人観光客で賑わっています。先日、京都を訪問した際のことです。以前にも増して街中が外国人で溢れかえっていました。平日ということもあったせいか、日本人観光客よりも外国人観光客の方が多くさえ感じられました。某老舗割烹での光景です。カウンターを埋め尽くしていたのは全て外国の方々でした。料理に舌鼓を打ちながら、日本画の額装や掛け軸を珍しそうに写真に収めていました。京都には我々日本人でもワクワクするような場所が沢山あります。しかしそれは京都に限られたことではありません。他にも我々日本人が知らない美しい街や風景が日本各地にはまだまだ沢山あります。それらを創出しムーブメントをおこすのです。
その中でも前述のように好景気だからと言って全てがその恩恵に与るわけではありません。街も観光客が押し寄せたからと言って地元全てが良くなるわけではありません。何に訴えかけるのか?工夫をするのは個々人に委ねられるわけです。観光は日本再生の切り札と言って間違いないわけですから、成功した地域はその受け皿となりえるのです。