2022年4月 vol.245

2022年04月08日

 はじめに、3月の福島県沖を震源とした地震において被害に遭われた皆様には、この場をお借りしお見舞い申し上げます。就寝時間帯の大きな揺れに驚かれた方も多かったと思います。当社では翌日から管理物件の目視による点検を実施しました。物件によっては家具の転倒や建物の損傷被害が確認されております。更に気になるのは、その3月の地震以降、不穏にも各地で地震が頻発していることです。政府地震調査委員会では地震予測地図を更新していますが、地震予知の研究が進んでいるとは言え、そのほとんどは歴史の研究により論拠されたものと私は理解しています。発生確率の高い地域はもちろんのことですが、確率の低い地域においても一人一人の意識と備えが求められます。日頃から防災グッズの用意、家具の転倒防止、食器の滑落防止等の対策を講じ万一に備えたいものです。

 

 さて、桜のつぼみも膨らみ、開花が待ち遠しい毎日です。2年もの間コロナ禍により外出自粛を強いられてきた分、久々の花見を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

街中で新入社員と思しき若者の初々しい姿を目にします。新年度を迎え、成人年齢の引き下げや東京証券取引所の3市場始動など、少しずつ世の中が変化することでしょう。

 

 中には有難くない変化もあります。昨今の世界情勢を受け、食品や日用品、外食、燃料の値上げなど、既に我々の生活にも影響が及んでいます。これまで、企業物価が上がっても価格転嫁できない状況が続いてきましたが、コロナ禍・ウクライナ危機、このタイミングにおいての値上げラッシュは各社苦渋の決断と言えます。消費者物価上昇により企業の収益が向上し、やがて所得に還元され好循環が生まれるのであれば歓迎できるのですが、現状は原材料費や燃料費の高騰に加え円安など複雑な要因が絡み合っています。ウクライナ危機による市場への影響は序章に過ぎず、この機会に我が国は自給率を上げ輸入に頼らない国家へ大きく舵を切るべきです。

 

 先ごろ公表された地価公示では、全国平均変動率で住宅地・商業地とも2年ぶりに上昇に転じ大都市圏と地方四市と位置づけられる札仙広福の地価上昇が目立ちます。その一角である仙台は、今年に入っても地価が下がる気配はありません。ここ何年かの間、過熱する不動産市況に対し多くの専門家が地価の調整局面を指摘する意見を寄せてきました。私もその一人でしたが、予想に反し地価の高止まりが続いています。連動して固定資産評価の上昇も顕著です。住宅や集合住宅をお持ちの方は土地に対し軽減措置を受けていますので、急激な増税感はないと思いますが、都市部で事業用不動産や更地をお持ちの方は固定資産税の上昇(昨年は3年に一度の評価替えの年でしたが、コロナ禍の特例で調整が入りました)を実感しているはずです。更に、不動産取引の際は固定資産評価額が課税標準額となりますので、軽減を伴わない用途の登録免許税や不動産取得税は昨今の地価上昇を受け確実に負担増となっています。

 

 当然のことながら、相続や贈与の際の評価として用いられる路線価も地価公示と連動します。したがって、路線価上昇と併せ、相続税算出の際の基礎控除額が見直された平成27年以降は事実上の増税を意味し、かつ課税対象者の裾野も広がりました。昨今の相続を取り巻く環境の変化が引き金となり、ひいては、一部で資産圧縮効果を得るための不動産投資を過熱させたと言い換えることができます。正にイタチごっこ状態です。

 

 この環境下で住宅をお求めの方は、資材高騰や人件費上昇に伴う建築費アップと高値相場による土地代金を織り込んで検討をしなくてはなりません。他方で、住宅性能は向上していますし、市場はまだ低金利が続き税制面での優遇も継続されています。私は、この相場の行方が見通せない中においても、思い立ったら吉日と考え行動に移すべきとアドバイスしています。なぜなら、日々家族を取り巻く環境も変化するわけで必ず旬があるからです。是非、ご相談下さい!!